ロングセラーの電装強化軽キャンパー
軽キャンピングカー、人気がありますね。最近の軽キャンパーの流行のひとつに、ハイエースをベースにした普通車サイズレベルの電装を備えるといったムーブメントがあります。
スズキ・エブリィベースのロングセラーモデル「ミニチュアクルーズSV」は、早くから電装強化に注力したモデル。サブバッテリーを2個搭載し、ソーラーパネルも備わっています。
ミニチュアクルーズは、香川県のコーチビルダーである岡モータースがシリーズ展開している軽キャンパーです。家具の造形にはシリーズで共通しているところが多いですが、このミニチュアクルーズSVは、家具がホワイト基調で清潔感あふれる仕上げになっています。
ベッドマットは60ミリの肉厚。3層ウレタン構造になっており、表面はメイド・イン・ジャパンの肌触りの良いファブリックになっています。
また、このベッドマットは前側をリクライニングさせることが可能になっています。それも21段階という多段階の調整ができます。車中泊の長い夜をカウチスタイルでくつろいだり、本を読みながら過ごすことができるという仕様です。
電子レンジも使えるスペック
このモデルには、電子レンジが標準で備わっています。電装面の心臓部とも言えるサブバッテリーは、85Ahのものを2個搭載しています。
そして、サブバッテリーの12V電源をAC100Vに変換するインバーターには、強力な1500Wタイプが使われています。
インバーターには高価な正弦波と比較的安価な擬似正弦波と呼ばれるタイプがありますが、このモデルが採用しているのは家庭と同じ正弦波です。電子レンジはもちろん、そのほかの家電製品を安定して使うことができます。
ルーフにはソーラーパネルが備わっています。これもメイド・イン・ジャパンの単結晶パネルで性能がよく、225Wの発電量を誇ります。
面白いのは、このソーラーパネルはサブバッテリーに充電するだけでなく、メインバッテリーにも充電してくれること。それぞれのバッテリーを適正電圧で充電するデュアルチャージコントロールソーラーシステムを備えているんです。
外部への出力も可能
リヤには外部電源入力だけでなく、外部に電力を出力するためのポートが備わっています。これは実に珍しい装備です。普通は外部電源入力しか備わっていません。
車中泊をオートキャンプ場やRVパークなどでするときには、外部のコンセントと車体をコードで繋げば、車内で家電製品は使いたい放題になります。特にこのモデルはインバーターが1500Wですから、オーブントースターや炊飯器といった高い出力を必要とする家電製品でも問題なく使えます。
さて、では外部への電力の出力はどんなときに使うのでしょうか。屋外で家電製品を使いたいとき…それも一つの答えです。さらに想定されているのは、万一の災害時です。
これだけのバッテリー容量があれば、スマートフォンやノートPCの充電は全く問題がありません。自分だけでなく、困っている人へ電力を供給することも可能です。
旅で嬉しい装備も
ミニチュアクルーズSVを製作する岡モータースは、女性スタッフが多く活躍しています。オプションになりますが、サイドキャビネットの上部に三面鏡を取り付けることが可能になっています。旅先でも身だしなみはしっかりとしたい、という女性スタッフの声から実現したオプションです。
キッチンも実用的
室内右サイドには、キッチンが備わっています。コンパクトな作りですが、シャワーヘッドを引き出して外部シャワーとしても使うことができます。
調理時には、左右のキャビネットの扉も兼ねている跳ね上げ式のテーブルを使うとカウンター面積が広がります。さらにオプションで、その左右のテーブル間をつなげる延長テーブルをセットすることも可能です。
ミニチュアクルーズにはバリエーションがたくさんあります。また、別のバージョンのモデルも紹介したいと思います。